サイト(ホームページ)を
作成するにいたるまで

山本純士

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1.1992年(平成4年)7月25日に、
  群馬・長野の県境にある
  草津白根山に登りました。
  (正確には、
   弓池から登る「本白根山」)。

  その山頂近くでは、花や樹木が
  看板で紹介されており、
  その看板の一つ、
  「岳樺(だけかんば)」
  に目が止まりました。

  岳樺(だけかんば)の看板
    (こういう看板)

  「だけかんば」という言葉は
  聞いたことはありましたが、
  これを「岳樺」という漢字で表す、
  ということが示された瞬間、
  「えっ、そういう漢字を書くの?」
  と、意表を突かれた、というか
  正直驚きました。
  「岳」に「樺」で
  「ダケカンバ」??

  漢字名であらわした植物の世界が
  目の前に現れ、
 (たったそれだけのことなのですが)
  価値観がガラッと
  変わったような感じでした。


  歩いていくと、
  「樅(もみ)」
  「栂(つが)」
  「水楢(みずなら)」
  「針桐(はりぎり)」
  「楓(かえで)」
  「駒草(こまくさ)」
  「躑躅(つつじ)」・・・
  次から次へと
  漢字つきの看板が現れ、
  1つ1つ、「あ、この名前には
   こういう漢字をあてるんだ♪」

  山頂からの下り道は
  通常なら1時間程度ですが、
  いちいち立ち止まっては
  ”漢字・読み”を記録したため
  3時間ぐらいかかりました。


  それまで私は植物に
  全く関心がなかったのですが、
  その登山以降
  興味の対象が「植物」になり、
  また、具体的な対象も

   「木」の名前の漢字と「木」の姿
      ↓
   「花」の名前の漢字と「花」の姿
      ↓
   「花」の咲く季節感をたどる

  と移り変わっていき、
  次第に、興味の対象が
  「花」になっていきます。

  植物図鑑を持ちながら自宅周辺を
  歩き回り、身近な花木を
  観察してノートに書くのが
  週末の楽しみになっていきます。

当時のノート

当時のノート



2.1993年(平成5年)4月4日、
  小田急線の喜多見駅の近くを
  歩いているとき、
  ”花が咲いている期間を
   時間軸にして、
   年間表にしたらおもしろそう”
  とひらめき、すぐにその場で
  手帳に表を書き始めました。
  (花の種類という縦軸に
   時間の横軸がクロスではまり、
   これも、価値観の転換、
   という感じでした。
   1時間ほど立ち尽くして
   表を書いていました)


  自宅に戻り、手帳のメモをもとに
  A4の白紙に転記し、
  そのA4の表と
  植物図鑑の両方を持って、
  さらに知らない花を
  次々記入して確認していきます。

  当時の手書きの実地記録
  開花期(1,2,3月)

  手書きの実地記録(1,2,3月)

  手書きの実地記録(4,5,6月)

  手書きの実地記録(7,8,9月)

  手書きの実地記録(10,11,12月)


  その後、手書き修正が多くなって
  管理しづらくなってきたので、
  1994年(平成6年)9月からは
  ワープロの
  「OASYS(オアシス)」
  に入力して
  管理するようになりました。 

    OASYS(オアシス)
   OASYS(オアシス)


  表を更新し続けることで
  1995年頃には開花時期も
  はっきりしてきて
  知っている花の種類も
  増えていきました。


3.1994年(平成6年)までは
  「カメラで花を撮影する」ことは
  全くしておらず、
  花の姿形も、花図鑑で覚えた記憶を
  頼りにしていましたが、
  1995年(平成7年)から
  コンパクト型のフィルムカメラで
  花写真を少しずつ撮り始めました。

    昔のカメラ
   銀塩フィルムカメラ

  (当時は、撮影するのに
   フィルム代とか現像代で
   多大なお金がかかるため
   たくさんは撮れず、
   1枚ずつ慎重に撮ってました)。

  なかなかピントが合わず
  失敗作も多く苦労しましたが、
  要領がわかってきて
  1996年秋頃までに
  250枚ほど撮影しました。

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4.1996年(平成8年)1月に
  「Windows95」のブームに乗って
  パソコンなるものを初めて購入。
  しばらくはメールとゲームと
  ネットサーフィンを
  楽しむだけでした。

    Windows95
    Windows95のPC

  当時、meshnetという
  接続プロバイダーを
  使っていたのですが、
  1996年10月頃に、

  「個人でもホームページを
   持つことができる」

  「容量は5MBまで利用可能」

  というmeshnetの広告を見つけ、
  ワープロで管理している
  開花時期年間表と
  手持ちの写真で、
  ホームページ(サイト)をつくって
  何か表現できるかもしれない、
  なんとなくおもしろそう・・
  と思い始めました。


  ホームページを作るって、
  いったい何をどうしたらいいんだ?
  で、
  HTML言語の解説本を買ったり
  (立ち読みしたりして)勉強し、
  手探りで一つずつ
  構文を手入力し始めました。


  ホームページの構成を
  どういう形にするか、は
  いろいろ考えました。

  それまで1年ほど
  ネットサーフィンをして
  いろんなページを見て
  得ていた感触から、
  「わかりやすい、シンプルなもの」
  がいい、と思いました。


  写真中心にして、
  月ごとに見られるようにし、
  五十音検索をつけて、
  漢字名を前面に出して、
  似ている花もリンクさせて、
  高山植物も入れて、
     ・
     ・
  シンプルなタグを使って、
  わかりやすい場所で改行して、
  アイコンはつけないようにして
  (地味になりますが・・)、
  背景は白で、
     ・
     ・
  という具合に
  いろいろ構想を練り、
  花にあまり興味がない人にも
  面白く見てもらえるような
  シンプルで
  わかりやすい構成案を
  図を描きながら練っていきました。

 サイトの図案1

 サイトの図案2


  「作ろう」と思ってからの
  約3ヶ月は、かなりの作業量でした。

  プリンターやスキャナーを購入し
  試行錯誤を繰り返しながら、
  植物の説明書きや
  HTML文の打ち込み、
  写真のスキャニング、
  (当時は全て
   銀塩の紙焼き写真だったので
   デジタル化するには
   1枚ずつ、スキャニングと
   画像編集が必要、という、
   途方もない作業でした)
  HTML調整、見直し、
  ブラウザでの動作確認を続け、
 (当時は、Windows95 で IE3♪)
  1997年(平成9年)1月5日に

 開設日のサイト

  初版のサイト(ホームページ)

  を公開しました。

  このときに作り上げたページの
  デザインの基本線は
  現在も変えていません。
  読者の皆様から、
  「すっきりした、
   読みやすいページ」
  との評価をいただいております。


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5.サイトを開設した1997年当時に
  イメージしていた将来像は、

 『河原の土手のところに親子がいて、
  この花の名前はなぁに?
  と、子どもが親に聞いている。
  親はこどもに「何か」を見せて、
  その「何か」に載っている花と
  子どもが聞いている花とを見比べ、
  子どもに名前を教えている』

  というものでした。

  1997年当時は、サイトを見るモノは
  パソコンしか存在しなかったので、
  この「何か」は、モワッとした
  イメージしかありませんでした。
  でも、この「何か」の
  「花の資料」になれたらいいな、
  という思いはありました。

  この「何か」は
  その後十数年間、形として
  現れることはなかったのですが、
  2010年頃から
  「スマホ」という形で出現し、
  当時イメージしていた機器が
  現実のものになった、
  と感じています。

  不思議なものです。


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6.1997年のサイト公開により、
  世の中に対する自分の意識は
  ガラッと変わりました。

  世の中の方々に
  自分が作成したコンテンツを
  常に見ていただくことになると、

  「使いやすいものに
   していかなければいけない」

  「正しい情報を
   届けなければいけない」

  との意識を持つようになります。
  いつも何かしらの
  アンテナを張っている、という感じ。
  サイト公開の1997年より前には
  無かった感覚です。


 ・ふつうに歩いてて、
  「この花の情報を載せたい」
  「撮ったこの写真は
    こういう形にして載せたい」
  「サイトのあそこをこう改善したい」
  「サイトのあそこが間違ってるので
   直したい」とかを、
   頻繁に思いつく。

 ・植物園の開花情報、花全般の情報、
  世の中のデジタル情報などに
  敏感になる

 ・周囲の方の、
  なにげないひとりごとが
  ヒントになる

  「ほら、あの黄色い花・・・、
   春に咲く・・、ほらあの・・、
   何ていったかなぁ?」
    → 黄色い花コーナー作成
  「8月はどんな花咲いてたっけ?」
    → 月ごとの開花コーナー

 ・日本の歳時記、風物詩、文化なども
  いろいろ載せてるので
  カレンダーの日付、新聞記事等に
  敏感になる。


  などの感覚は、1997年以降に
  もつようになったものです。


  また、ファンの方からの要望も
  ヒントになります。

  デジタル以前なら、
  例えば本を出版しない限り
  世の中の人からの反応は直接は
  受けられなかったと思いますが、
  ホームページというものが
  デジタル上に存在することで
  それを見る人が
  メールなどのデジタル手段で
  直接反応を返すことができる。

  ネットの出現はすごいもんだなぁ、
  と思います。

  いろいろなことをヒントに
  日々更新を続けてます。
  (これまでの主な更新履歴)


  また、心がけとしては、
  ふつうの第三者的な
  フラットでフェアな感覚で
  自分のサイト内容を確認して、
  「ん? なんか違和感」
  と思うものは直した方がいいし、
  「うん、この方がいい」
  と思うものは更新をすすめる、
  というのを基本線にしています。
  そうすれば、
  「自分で見て楽しめるものは
   皆が見ても楽しめるだろう」
  という形になっていく、
  と思ってます。

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7.最初(1997年~)のころは
  手持ちの花写真をどんどん
  掲載して増やしていくことが
  更新作業の中心でしたが、
  2005年頃からは、
  花の名前の由来や、
  花にまつわる短歌など、
  すでに掲載済の花ページに対して
  いろんな面から
  厚みを加え続けることに
  ウェートを置いています。

  ふだんよく見かけるような花を
  中心にして
  それらの写真やコメントを
  充実させていくと
  見る人もうれしいかな、と。

 (それぞれの花について、
  つぼみ・花・実・葉っぱの写真、
  花名の由来、関連の俳句、
  英語名、学名、色分類、等、
  多彩な情報を丁寧に加えていく、
  横展開作業がおもしろい♪)


  その作業自体は
  おもしろいんですが、
  おもしろいとは言いながら、
  水面下では、

  ・どういう構成にしたら
   花の魅力をうまく伝えられるか
  ・見る人が一番使いやすい
   ページとはどういう形か
  ・着想、思いつきを
   どうわかりやすく表現するか
  ・Webまわりの環境の変化の
   スピードに、どうついていくか

  などについて、
  いろいろ考え
  苦心している面はあります。
  (実際に、
   皆さんが気づかないところで、
   頻繁に改善しつづけています)
  でも、それ自体が「楽しい」と
  思っているので、自分にとっては
  「趣味」なのでしょう。


  例えば定点観測の取材をしていても
  うまくいかないことのほうが
  多いですが、
   (定点観測は、失敗の連続)
  失敗が多いからこそ逆に、
  サイトに掲載できるレベルの
  定点観測ものができあがると
  「やったー」と感じます。


  読者の方が言っていた、
  「一人の趣味が、
   多くの人の幸せにつながっている」
  という言葉に励まされています。


  いろんな面で
  不器用な人間ではありますが、
  この花図鑑サイトの運営
  については、
  皆さんの応援を得ながら
  楽しく続けることが
  できています。
  応援、感謝いたします。


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サイト作成PC環境

これまでの主な更新履歴

花・季節・漢字について

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